第54話

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2020/10/17 14:27





闇に包まれていた。
死んだような顔をして。
彼は笑っていたんだ。
殺意に満ちた目で私を見る。
それは他の誰でもない、彼なんだ。
「オッパ……」
その瞬間、グクの首元に注射をさした。
『いっ、』
[おやすみなさ〜い‪w]
そしては床に倒れた。
「ググっ!」
私は駆け寄ると、彼に蹴飛ばされた。
[ふっ、気持ち悪りー‪w]
彼はそう言って“ふっ”と笑った。
「ねぇ!何をしたの!」
「グクに何をしたの!」
私は彼の足の裾を掴んでそう怒鳴った。
[安心しろ、]
[まだ死んでねーよ。]
彼は死んだような顔をしてそう言った。
私は立って彼の顔を思い切り叩いた。
「まだって、まだってどういうことよ!」
「殺すなら先に殺してやる!」
私はキッチンの包丁を取りに行こうと後ろを向いた時、なにかに押さえつけられた。
[馬鹿じゃねーの。油断して。]
その声を最後に、私は気を失った。




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