あの日から何も変わらない1週間が過ぎた。
テヒョンさんには会わない。
グクは相変わらず朝早くに家を出て、夜中に帰ってくる。
それでも私は時間を合わせようと夜遅くまで起きてた。
日が昇ってすぐに出ていくグクに間に合うようにご飯を作った。
でも、そんな気持ちを踏みにじられるように、
グクはご飯に手をつけず、家を出ていった。
私は骨折をしたあの日から、大学には行かなくなった。
彼は毎日大学で何をしてるのだろうか。
私に暴力を振らなくなってから、誰に振るようになったのだろうか。
考えれば考えるほど気になった。
そのこと以外考えられなくなった。
でも忘れてしまおう。
だってテヒョンさんを愛しているのだから。
いつか、いつか絶対テヒョンさんに会うんだ。
そして幸せになるんだ。
私は買い物に行くために、財布だけ持って家を出た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!