キッチンからはいい匂いがした。
ん、、と、ベーコンの匂いかな?
彼がキッチンに立って料理をしている姿、
すごくかっこよくてまた、好きになってしまった。
あれ、私が最後にグクが料理してる姿を見たのっていつだっけ。
てか、グクは料理をしていたことはあっただろうか?
[あなたちゃんできたよー]
私は結論が出る前に呼ばれ、椅子へ座った。
「いただきます!」
[はーい]
ベーコンと目玉焼きがのったトーストを口へ運んだ。
「ん!おいひいでふ!」
[ふふふふふwww]
彼も同じように食べ始めた。
[ん!うまっ]
「美味しいですね!」
[なんかさ、、夫婦みたいだねw]
「ゲホッ」
[だっ、大丈夫?]
急にそんなことを言い出すからむせた。
でも確かに言われてみればそんなこともあるような気がして、、
考えれば考えるほどそう見えてきて、、
私は緩みそうな頬を少しつねった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。