第6話

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2020/07/10 10:02










ある日の朝、
その日は梅雨だった。
雨がうるさいくらいに降っていた。
グクは雨が嫌いだからか、
朝から機嫌が悪かった。
グクは朝、
ずっと私を無視し続けていた。
それでも日常は来るわけで、
私たちは一緒に家を出た。
マンションの3回の端の部屋だった。
家を出ると直ぐに階段があって、
急なのに長い階段だから、
雨の日は特に降りるのに気をつけていた。
「グク?気をつけてね!」
そう笑顔で言って、降りようとした瞬間の事だった。
視界がグラッと揺れた。
空と地面が交互に視界に入った。
揺れが納まった時、目を開けると、
そこにはうっすらと目を開けている彼がいた。
あの時をまだ覚えている。
あの時彼は、笑顔を浮かべていた。

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