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第1話

学校(( 2
356
2020/10/12 15:12
「…おはよう」
 教室の重い扉を開け、いつものように空気に向かって挨拶をした。すぐにクスクスと笑い声がする。オレは学校がキライだ。

ドンッ

「やめろよ」
「うっわ妖怪がこっち睨んだ‼︎呪われるぅ!」
またこいつか。オレを妖怪みたいだと揶揄してくる。……キライだ。
「ねぇずっと思ってたんだけど、なんで"妖怪"?」
オレに興味ないクセに余計なこと聞くんじゃねぇよ。
「あぁ、こいつ妖怪みたいじゃんなんかヒョロっこいし、目とか口とかなんてゆーか変じゃんか」
「えーひどーいクスクス…でもわかるかも〜」
「こいつ無駄にデケェしな」
…おまえらの評価なんか知らないし興味もないんだよ。それにオレは父さん似なんだ。父さんはすっごいかっこいいから、だから別におまえらになんて思われたって良い______

「そーいえば、妖怪の父ちゃんも変だよなぁ」

________は?
「あーそれわかるわぁめっちゃ妖怪ぽいわ」
おまえら__
「なんか妖怪がでっかくなったかんじ?」
「リアル妖怪じゃーん」
「え、なんかヤダ〜」
「私もずっと思ってたぁ」
「私も私も!なんかキモチワル…」

バンッ

「ッ黙れよ‼︎」

「……は、は?なにマジになってんの?」
「…うわこわ〜妖怪がキレた〜」
…まだ黙らねぇのかよ。
「オレの父さんは、カッコいい‼︎‼︎」
おまえらがバカにしたオレの父ちゃんは___
「お前らの父親よりもカッコいい‼︎バレーがすっごい上手いんだ!春高にだって行ったし、父さんのブロックは絶対破れないんだ‼︎」
「は?なに嘘ついちゃってんの?」
「嘘なんておまえら相手につかねぇよ」
「そんなつまんねー嘘つくから‼︎オレらと一緒にバレーできねーんじゃねーの⁉︎バッカみてぇ!嘘つきが‼︎」
「…違うだろ。」
そうだ。おまえがオレとバレーしないのは___
「オレよりバレーがヘタだから。」
「____は?」
「オレとバレーしないのはさ、一回だけオレとバレーしたとき、オレの方が上手かったからだろ?」
「ッ_____‼︎」

バキッ






「なぁなぁテンドーくん!バレーするって言ってたじゃん!」
「うん、するよ」
「マジか‼︎一緒にしねぇ⁉︎」
「…いいの?__する!」









「ねぇ今日もバレーしない?」
「あーテンドーくん……オレパスで」
「…わかった!」
「みんなは?しようよ!」
「オレらは___」
「みんなやらねーって!みんな行こ‼︎」
「……そっか」






「あ、今日はする?」
「いや、しない。」
「じゃあ明日とか__」
「おまえとはもう絶対しない。」
「………え?」
「そろそろうざいって気づけよ」





「あのさ……………」
「おまえ、バレー、テンドーくんとはしねーの?」
「…あいつうぜぇんだよまじで。毎日話しかけられてちょっとキモいわ」
「キモいって言っていーの?笑」
「二度と一緒にバレーはしねーからいーの!あいつマジでキモチワルいわ」





____オレは学校がキライだ。大キライだ。



でもほんとは_____



学校が好きになりたいだけなんだ。


ナカマが欲しいだけ、なんだけどな……。









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