二人が離婚していないのは、私のおかげと言っても過言ではない。
私がパパのケータイをママの見つからないところに隠したり、ママがデートしてるところをパパに見つからないようにしてるのだ。
性格はあれでも、パパはATMになるし、ママも料理作ってくれるから。
だから、私が我慢すれば生きていけるのだ。
はぁぁ…またリビングからパパの怒鳴り声が聞こえる。
私はパパに捕まらないように電気を閉めて寝てるふりをした。
ある日、
交通事故で、両親が一緒に仲よ死した。
私は二人とも嫌いだったけど、料理とお金の源がなくなってしまったため、
嬉しくも悲しくも感じなかった。
弟は、大嫌いな姉の私と一緒に暮らしたくなかったのか、どこかに消えてしまった。
何日か弟を探し回ったが、全く見つからなかった。
そして数日後、弟が警察に保護されたというニュースを聞いて、安心した。
それから私は、完全に一人になった。
すとぷりに出会うまでの3ヶ月間、私は友人の家を転々としていた。
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サラサラの髪の毛、少し青がかかった長いまつげ、雪のような白い肌…
私は不覚にも、ドキッとしてしまった。
そして私は、ころんくんを起こさないように電気を閉めて、同じベッドに入った。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。