目が覚めるとソファの上に私がいることがわかった
私の体には布団が掛かっていて、類か寧々が掛けてくれたものだと思う
類は机に突っ伏して寝ており、寧々はソファを背もたれにして寝ていた
寧々に布団が掛かっていることから類が1番最後に寝たのだろう
スマホを開くと10:40と表示されていて長い事寝ていたみたいだ
最近はゆっくり寝れてなかったからよく寝た気がする
その時モゾモゾと寧々が動き目が開いた
そして地面の部品を踏まないよう類が寝ている机に歩いていった
ゆらゆらと類を揺らす
ゆっくりとしゃがみ類の顔を見る
いつもの大人っぽくミステリアスな類はそこにはいない
子供のような幼い寝顔があった
類の顔を見るのに没頭していたのか類が起きたことに気づかなかった
その時背後に寧々がお盆を持ちながら類にキックを繰り出していた
机の上に置かれたケチャップライスを3人で食べ、部屋を片付けし、荷物をまとめお開きになった
私はそのままWEEKEND GARAGEを足を運んだ
類達とショー映画を見て数週間がたった今日、待ちに待ったライブ本番が開催される
スカートをぎゅっと握りしめ心を落ち着かせようとしたが緊張とはなかなか取れないものだ
ショーと違ってストリートの世界は熱気がすごい。人々の熱気で倒れてしまいそうだ
そんな時大きく暖かいものが私の頭にぽんと置かれた
わしゃわしゃと杏とこはねが私の頭を撫でる
そして杏がじっと彰人を見ていること気付いた
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!