「おはようさん。不死川いる?」
「巡回に行かれました。もう少しでお帰りになると思います。居間に上がっていてください。私は朝ごはんの支度をするので外しますね。何かあったら台所にいるので。」
「おー、」
「朝ごはんは食べられました?」
「うん、食ってきた。ありがと。」
あれだけ散々いっていても意外と柱は仲がいいらしい。
「帰ったー。」
「おかえりなさい、師範。隊服は洗濯しますので籠に入れておいて下さい。手を洗って口も濯いでくださいね。もうじき朝食ができます。」
「おー、ありがとなァ。なんもなかったか?」
「あぁ、宇髄さんがいらっしゃってます。居間におられます。」
「あ?そうか、わかった。」
「支度は済んだので食卓に座っていて下さい。」
「ん、そっち持つ。貸せ。」
「ありがとうございます。」
伊黒さんが来てからというもの、師範はなにかとよく手伝ってくれる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!