炭治郎の安堵の声が聞こえる。
「これ、善逸がやったの?さっきの稲妻も?」
「善逸がやった。」
「寝てるけど?」
「寝てるけど。」
善逸は、よくわからない。
「二人とも、立てる?まだ夜明けまで時間があるから藤の宿に泊まらせてもらおう。」
炭治郎はすんなり立ち上がったが、伊之助が立ち上がらない。
「伊之助?大丈夫?」
「…お前、ちょっとすげぇな。」
何が言いたいのかよくわからないが、素直に褒められないのだろう。彼なりに褒めてくれているようだ。
「ありがとう。さぁ立って。善逸くんは私が背負っていくね。」
「え、ちょっ、あなた!おい伊之助、持ってやってくれ!すまんが俺には禰󠄀豆子がいて背負えないんだ。」
「大丈夫だよ、私運べるから。」
「あ?俺だって運べるわ!貸せ!」
乱暴に引き剥がされて担がれる善逸。かわいそうに。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。