今日は師範の鎹鴉が任務を伝えにきた。
「風柱オヨビ継子ノあなたノ合同任務、南南東ノ山ノ村ガ襲ワレテイル。」
なるほど、師範との合同任務か。何気に師範との合同任務は初である。
縁側で寝ている師範を叩き起こし、任務の準備をする。
◇◇◇
目的地に到着した時点で日が落ちるまで半刻ほど時間があったので、聞き込みをしたところ、とても大きくて強い鬼が出るんだそうだ。説明が抽象的すぎてあまりよくわからなかったが、一つわかったことは、相手をすると切り裂いてくるらしい。
師範が聞き込みをすると大半の人は怖がるので、代わりに私が聞き込みをした。その間師範は甘味を食べていた。
すっかり日が暮れた頃、村の裏の方から鬼が出てきた。
すぐさま師範が攻撃を仕掛ける。風の呼吸は使わず、ただの剣術を駆使して戦っているようだ。
師範にかかれば余裕なのだろうが、自分はそうではない。
たまに狙われながらも、師範が買ってくれた羽織を死守しながら戦っていると、隊服の方が破れた。
「あなた、テメェがトドメ刺せ!」
「はい!」
最近上達してきた伍の型の木枯らし颪で首を刎ねた。母趾にしっかり力を入れて。
「おー、上達したな。よく飛んだじゃねェか。」
「ですよね!師範もお見事でした。」
「一緒に鍛錬してると連携しやすいモンだな。デッケェ戦いのためにも柱同士で鍛錬、ってのもありかもしんねェな。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。