瑞稀side
勝利「そういうことねー」
勝利先生に姉ちゃんの今の状態を説明した。
すると先生は納得したように頷いた。
優斗「勝利、どうにか出来ない、?」
勝利「んー、でも一応あの水は飲んだんでしょ?」
優斗「一応、」
瑞稀「あの水…?」
優斗「あなたちゃんが痛みで苦しんでる時に俺が飲ませたやつ」
瑞稀「え、あれって普通の水じゃないの?」
優斗「ぜんっぜん違う、」
嘘でしょ……?
俺普通の水かと思ってた、ずっと…。
だって、特に、何も変哲もなかったよ、?
普段の水と、変わらない…。
?「もし瑞稀くんがあの水を飲んだら大変なことになるんだよ?」
瑞稀「え…?」
?「あ。自己紹介まだだったね!僕の名前はマリウス葉!蒼弥くんと龍斗くんの担任だよ〜」
瑞稀「あ…初めまして。井上瑞稀です」
マリ「で、さっきの話!もし瑞稀くんがあの水を飲んだとする。そしたらね、瑞稀くんは消えちゃうんだ」
瑞稀「へ……消え、る…?」
マリウス先生がいきなりそんなことを言うから変な声が出てしまった。
消えるって、なんで…?
どういうこと?
優斗「頭の上にハテナがいっぱい見える」
勝利「あはは。ほんとだ笑」
マリ「綺麗に見えるね笑」
瑞稀「笑い事じゃないです!どういうことですか!?消えるって!」
勝利「ごめんごめん笑 あれはただの水じゃないの。特別な薬が入ってて、ヴァンパイア。もしくはヴァンパイアの血が多いハーフが飲んじゃうと消えちゃうんだ」
瑞稀「……っ」
優斗「俺らって、強くも儚い存在だから、そういうのに弱いんだよ」
瑞稀「でもなんで人間の血が多いヴァンパイアは効かないの?」
マリ「薬が血全体に行き渡らないからだよ」
勝利「少ないからね」
瑞稀「半々の人は?」
勝利「半々の人っていないんだよ」
瑞稀「え?そうなんですか?」
優斗「らしいよ」
瑞稀「へー……」
勝利「で。最初なんの話しだっけ?」
優斗「あなたちゃん助けてあげたい」
勝利「あーそうだったね。助けたいって、どうしたいの?」
瑞稀「どう、したい……。…姉ちゃんのこと、苦しめたくない。辛い思いして欲しくない…っ」
ずっと平和だと思ってた。
なのに、それを俺は自分の手で壊した。
…俺は、どうすればいいんだ…っ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。