瑞稀side
優斗「失礼します。高学部2年C組の髙橋優斗です。
佐藤勝利先生に用事があります。
入室しても宜しいでしょうか」
「どーぞー」
優斗「失礼します」
瑞稀「え、え、」
優斗「みずっくん」
瑞稀「あ、あ、失礼します…」
職員室、?広すぎない?
まぁ、中高一貫校だから当たり前だけど…。
このヴァンパイア街に学校は3つしかなくて、
小学校と中高一貫校と大学。
それに加えて保育園、幼稚園。
全て1つずつしかない。
けど、俺にとってここの中高一貫校は未知だから、
どんなところか分からないどころか
場所すら知らなかった。
だから今ちょっとビビってる。
優斗「しょーりー」
勝利「こら。職員室では先生でしょ、笑」
優斗「ごめんごめん笑」
勝利「いいんだけどさぁ。誰?」
優斗「あ、俺らの友達」
瑞稀「い、井上瑞稀です、」
勝利「みずっくんか!」
優斗「正解!」
瑞稀「え、?」
勝利「4人がよく話してる子だよね?ほら、めっちゃシスコンって!」
瑞稀「てめ…優斗……」
優斗「え!?俺じゃない!!」
勝利「ふははっ!てか、何しに来たの?笑笑」
優斗「あ、そだそだ。先生に相談したくて」
勝利「相談?じゃあ教室行く?」
優斗「うん」
そう言って佐藤勝利さんっていう先生は立ち上がって、職員室を出る。
その後ろに俺たちは着いていく。
なんか、違う学校って違和感……。
勝利「あ、そういえば」
優斗「ん?」
勝利「補習だわ…」
優斗「まだやってんの?笑」
勝利「中学生に教えて貰ってるのに笑」
補習……やっぱりこっちにもあるんだなぁ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。