瑞稀side
優斗「良かったね、みずっくん。あとはあなたちゃんに話すだけだね」
瑞稀「うん」
お父さんとお母さんからの承諾は無事得た。
あとは、姉ちゃんがこれをどう受け止めるかだ…。
そんな簡単に受け入れられることじゃない。
出来れば、今週中に話せるといいんだけどな…。
そんなことを考えながら歩いてると、あっという間に優斗ん家に着いた。
優斗「ただいま」
って、優斗が玄関の扉を開けた時だった。
?「やめろっっ!!!」
そんな叫び声が聞こえた。
優斗「…?」
瑞稀「何今の…?」
優斗「…わかんない。とりあえず行こ」
瑞稀「うん」
優斗と慌てて叫び声がした方に行くと、がりさんが頭を抱えて小さくなって何かを睨みつけるような目をして怯えていた。
その目線の先は作間と橋もっちゃんだった。
しかもがりさんの姿はヴァンパイアじゃなくて人間の姿。
何がどうなってるのかわからない。
作間「がりさん…っ、俺だよ、?作間だよ…」
猪狩「違う…!違う!!こんな化け物作ちゃんじゃない!!」
作間「…っ」
化け物……。
がりさん、ヴァンパイアのことがわかってない、?
なんで?
朝はちゃんとヴァンパイアだったのに…。
ヴァンパイアに怯えてる、?
瑞稀「……がりさん、」
蒼弥「…っ、瑞稀、くん、」
「「…!?」」
俺が呼ぶと安心したかのように抱きついてきたがりさん。
やっぱり……。
ヴァンパイアが怖かったんだ。
俺の今の姿は人間。
ヴァンパイア街で人間になれるのはハーフのみ。
それなのに、どうしてがりさんは人間の姿なんだ…。
純ヴァンパイアのはずなのに…。
猪狩「瑞稀くん…怖いよ…っ、ここから出して…っ」
瑞稀「…っ、がりさん、」
猪狩「こんな化け物だらけのとこいたくない!!」
瑞稀「がりさんっっ」
優斗「みずっくん」
瑞稀「ゆ、と…」
優斗「向こうで、がりさんのこと頼んだ…。これ以上恐怖与えらんないよ…。早くこの街から出した方がいい」
瑞稀「でも、っ」
優斗「がりさんの気持ち優先!」
瑞稀「っ、わかった。がりさん、行こ」
猪狩「うん…っ、」
がりさんの手を引っ張って優斗の家からも、この街からも出る。
なんで、こんなこと…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。