第3話

2話
73
2021/01/31 11:16
サラ…?
わたし
…………??
わたし
……コウ!?
コウは幼なじみで同じ学校のひとつ上の先輩だ。
コウ
そうだよ……コウだよ
わたし
いたんだ……誰も……誰もいないかと思ってたよかった……
コウ
……ッ
泣くなって
よかった……1人ではない……よかったよかった……
でも……なんで?
わたしはなんでこんな場所にいるの?
お母さん……
わたし
ねえコウ
私たちはなんでこんなところにいるの?
コウ
多分俺たちバレス族の中の大人の……誰かが乗せてくださった……んだと思う
悪い俺も途中の記憶がないんだ


事の発端は……政府に追いやられたことだ
コウ
俺たちバレス族の施設を襲いに
そしてバレス族の土地にも侵入してきたんだ
あの”ラウラ国”が
わたし
……え?
――私たちバレス族は昔からの固有の土地で暮らしていた、これは聞いた話だが――
――第二次世界大戦が終わってからはすぐラウラ国に占領された――
――豊かな資源のある私たちの土地を占領して、私たちバレス族を弾圧してきた――
――何も悪いことをしていないのに――
――自分達の益になることならなんでもするラウラ国はそういう国だ、きっと私たちの土地を使って資源を掘り起こすつもりだろう――
――私とコウは生まれた時から施設にいた一部のバレス族は監視されているし管理の元だが固有の領土で暮らしている――
――噂では施設同等に劣悪だとか――
――今回は施設と領土にあいつらが攻めてきたらしい――
わたし
ねぇ……大丈夫なの??
コウ
……
首を降らないでよ……ねぇ
嘘だっていってよ……
コウ
俺の家族は収容所に送られている
多分サラのお母さんもそこだ
何をされてるかは分からない
でも……いい施設ではないのは明白だ
いつも俺たちの過ごしていた施設より……劣悪な
今戻るには……危険すぎる
わたし
……わたしは戻る
お母さんが心配だもん
コウ
ダメだ危険すぎる……
”サラだけは逃げて”
わたし
……!
わたし
やっぱり……戻れないねごめん
生き残る
生きて……お母さんと再会する
コウ
……いい子だ
まずは……このフェリーを降りなきゃだな

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