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第2話

少女
「総司令長!電報が届いております!」


背の小さな部下と思われる男が、総司令長のハルキィに何やらを渡している。

それを窓から見つめる俺、イラールフ。

そっと窓を開け、2人の話がギリギリ聞こえるようにした。


「なに…!?」

「この少女は捕らえるべきでしょうか。」

「どこからの電報か分からないのか。」

「はい。」

「…。捕らえろ。それから監禁状態に置き、様子を見るとする。」

「はっ。」


少女…か。
今では幼い少女ですらも捕えられ、殺されてしまうようになった。

いつの日からか、ミテリアスサラ王国だったこの国は、妖狼族と想狼族とで対立することが多くなり、『妖アス国』と『想サラ国』という対立状態の国になった。

少し前に戦争を始め、妖アス国は、想狼族が敷地に入ることを厳禁し、戦争に抗う者は全て殺してしまえ。といつ教えがあった。

かつて幸せに、仲良く過ごしていた『銀髪の彼女』は想狼族であった。

ミテリアスサラ王国が2つの国に別れた時以来、会ってすらいない。
会えない、という言葉より、「会わせてもらえない」という言葉の方が正しいような気がする。


「早速取り掛かれ!」

「はっ!」


総司令長、ハルキィは部下に命令を下していた。

捕らえた後、送られてくるのはこの国王室だ。

気がつけば俺は国王になり、『イラールフ様』と呼ばれるようになっていた。
いつか、どうして俺が国王になったのかを聞いたことがあった。

妖狼族、想狼族、共に狼に変化することができる。半ば変幻自在ではあるが、それぞれに条件がある。

そして、俺が国王になったのは、物理的にも心理的にも強かったからだそうだ。





コンコン。

大きな扉が音を立てている。
おそらくハルキィだろう。


「イラールフ様。よろしいでしょうか。」

「あぁ。」


ハルキィは大きな扉を片手で開けた。
もう一方の手には電報の少女が──


「イラールフ様。今朝私の元へ電報が届きました。想サラ国に怪しい少女がいると。この女がその『怪しい少女』かと思われます。」

「そうか。」


少女は手首を縛られていた。
長い髪は黒と銀が混ざった混色て、うなだれたように下を向いている。
その髪が少女の顔を上手く隠していた。


「この少女を一定期間、監禁部屋に置き、様子を見たいと思っていま…」

「ハルキィ。」

「はい。」

「少女から手を離し、一度国王室を出てくれ。」

「…ですが!イラールフ様!」

「いいから出ろ!!」


厳しく言うと、ハルキィは少女から手をパッと離し、荒く国王室を出ていった。
少女は重力に逆らうことなく、黒いカーペットに崩れた。

力の入る様子も見られなかった。


「…」


静かに混色の髪を避けると、傷だらけの顔が見えた。白いワンピースで見えていなかった足も擦り傷だらけだった。


「ハルキィに無理矢理連れてこられたんだな。」


とりあえず、羽織物で少女を包み、ベッドで寝かせた。

何かに気づいた少女はゆっくりと目を開けた。




その目の色は美しいエメラルド色だった。




しっかりと見たその顔は




どこか見覚えのある顔だった──