月曜日、早速美香がやってきた。
こんな気持ちは初めてで。
世界がピンク色に見えて、
恋って最高って思った。
それから、週1で会うようになって。
私には門限があるから、
智がうちの方に来てくれて。
いつもの公園でおしゃべりする。
ただそれだけだったけど、
それがすごく楽しみで、
勉強もすっごく頑張れた。
腕を組み、上を見ながら、
考えてる…
ぶつぶつと…
独り言を言いながら…
どないするやろ…
真剣に、
とても真剣に、
考えてる…
………
………
あっ!?!?!?
もしかして、これが噂の山籠り?笑
初デートの時も、
こんな風に、
考えてくれてたのかな…
そう思ったら、
すっごく愛おしく思えて。
答えが出るまで、
ずぅーっと黙って、
待ってよって思えた。
普通に考えたらありえない約束だけど、
指切りをした。
智には、ずっと私の事を覚えていてほしかった。
もし、もしも、絶対ないと思うけど、
別れて、他人になったとしても、
6月6日になったら、
私の事を思い出してほしかった。
あの頃の私は純粋で…
大好きで、大切で、
ずっとずっと側にいたかった。
だけどあの時、
あの時どうして、
私は離れたんだろう…
離れてしまったんだろう…
後悔するってわかってたのに…
秋から冬に向かう頃、
美香が深刻な顔をしてやってきた。
もしかしてこないだ会えなくなったのって…
あゆみさんと会ってた…?
まるで、
自分に言い聞かせるように…
大丈夫、大丈夫。
私は智を信じてるし、
あの人はただの友達。
何も心配ない。
なんだろ…
大丈夫って思うほど、
大丈夫じゃなくなる感情。
智に会いたくなった…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。