第25話

🫧 24 🫧
664
2023/02/24 07:24
花岡side

目を輝かせた5人が、わっと声をあげる。
森本.
森本.
うわ、すげえ!
京本.
京本.
え、これ花岡さんが作ったの!?
ジェシー.
ジェシー.
俺らのライブ衣装とあんまり変わんないじゃん!
田中.
田中.
めっちゃいいじゃんこれ!
髙地.
髙地.
うわ、すごい細かく作られてる!
森本.
森本.
俺昨日YouTubeに上がってるライブ映像見てたんだけどさ、Feel da CITYのS.I.Xで北斗が着てたやつと結構似てる
松村.
松村.
あー、確かに
ジェシー.
ジェシー.
北斗緑着てたんだっけ?
松村.
松村.
そう
髙地.
髙地.
これ本当に学生時代に作ったんですか?
(なまえ)
あなた
はい
(なまえ)
あなた
テーマがステージ衣装だったんですよ
(なまえ)
あなた
それで、あんまりこういうの作ってる人いなかったんですけど、目立ちたかったんですよね
田中.
田中.
何かを参考にして作ったんですか?
(なまえ)
あなた
いや、特には...
京本.
京本.
どうやってこの衣装が出来たのか知りたいです
(なまえ)
あなた
知って良いものではないですけど...笑
(なまえ)
あなた
まず、私の中で、男性の衣装を作ってみたいっていうのがあったんです
(なまえ)
あなた
なんですけど、私、テレビさえあまり見なかったから、イメージが湧かなくて
(なまえ)
あなた
でも、ステージに立つ方ってキラキラした衣装着ているイメージがあって、じゃああえてキラキラから離れた衣装なら目立つんじゃないかって思ったんです
(なまえ)
あなた
だから深緑の布にしたし、見た目も重そうに作って...さらに金の飾りをつけまくったらこれが出来ました
森本.
森本.
その数年後にそれに似た衣装を彼氏が着てたってすごいですね
松村.
松村.
俺あの時びっくりしたよ、まじで一瞬あなたが作ったやつかと思った
髙地.
髙地.
参考なしでこんなにすごい衣装が作れるんですね
田中.
田中.
これ、着てみていいですか?
ジェシー.
ジェシー.
うわ、樹ずりぃ!
京本.
京本.
俺も着てみたい
森本.
森本.
俺もー!
髙地.
髙地.
じゃあ俺も着たいです
(なまえ)
あなた
ええ...まあいいですけど...
田中.
田中.
っしゃ!ありがとうございます!
そんなに着たいものなんだろうか。

私からしたら、学生時代に作った、大して価値のない服。

それなのに、こんなにすごいと言ってもらえるなんて。
森本.
森本.
おお、樹似合うじゃん!
田中.
田中.
まじ?
田中.
田中.
ちょ、写真撮って
森本.
森本.
いいよ〜
目の前で、綺麗な衣装を着慣れているはずの5人が、目を輝かせながら次々と衣装に腕を通していく。

そしてそれと共にシャッター音が響く。

ジェシーにはちょっと小さいな、慎太郎違和感ないじゃん、まあメンカラ緑だしな、なんて楽しそうな5人の声が部屋に広がる。

信じられない光景だった。

そもそも今日は、妊娠のことで非難されるとさえ思っていたのに。
(なまえ)
あなた
ねえ、北斗...これ夢?
松村.
松村.
ふはっ、夢じゃないよ
優しく笑った北斗が私の頭を撫で、思わず私の頬が緩んだ。

そしてその時。

カシャッ、と乾いた音が聞こえた。

音の方を見ると、田中さんがスマホを私たちの方に向けていた。
松村.
松村.
は、樹、写真撮った?
田中.
田中.
撮った
田中.
田中.
まじで2人、お似合いだわ
田中さんがニッと笑いながらそう言う。
松村.
松村.
その写真後で送って
田中.
田中.
ハハッ、いいよ
(なまえ)
あなた
え、ちょ、北斗?
松村.
松村.
いいじゃん、これも1つの思い出だよ
なんだか、信じられないことの連続で。

胸の奥が、ジーンと熱くなるのを感じた。

プリ小説オーディオドラマ