第128話

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2022/04/03 12:00





安井 side

















顕嵐がスマホを見て、急いで、でも少し嬉しそうに電話をかけながら外に出た時、




あ、あなたじゃんってすぐに分かって。




最近疲れてそうだったからテンション上がってよかった、なんてもうひとつの気持ちには蓋をして、




7ORDERの最年長として仕事の準備をしていると、やっと顕嵐が帰ってきて。




テンション上がって帰ってくると思ってたのに、誰も下手に声をかけられないような、




そんな顕嵐を見てだいたい察して。




22時半頃、思い出したかのように そういえば今日、あと30分ぐらいであなた来るよ って言う顕嵐で、




すべてが確信に変わった。




………………このことを受け入れられない俺はあなたが来る前になんとなく外に出た。




それから時間が経って、そろそろ戻らなきゃな、なんてアトリエに戻ろうとすると、




人影が見えて、反射神経で隠れてしまった。




別に出ていったっておかしくはないけど、出れなかった。




だって、顕嵐があなたを抱きしめてるから、、、




……………あのあなたも泣いてるし、、、




それから逃げるようにアトリエに戻って、しばらくして戻ってきたあなたの話を聞いて、




気づけばあなたは帰っていた。




こんなにもあなたの顔を見れなかったのは初めてだった。




………………こんなことよくあることなのに、




















































真田 「……………顔に出すぎ、」




『え?……ああ、ごめんごめん、笑』




萩谷 「やすが思ってたより喋んないからびっくりしちゃった笑」




諸星 「もっとなんか言うと思ってたわ笑 あなたもびっくりしてたしな笑」




『なんか、よくわかんなくなっちゃって、笑』




森田 「………………覚悟してたつもりなんだけどな、」




阿部 「…………思ってたよりもったけど、思ってたより早かったっすね、」




長妻 「…………………………(ボロ泣き」




「『…………………え!?』」




阿部 「え、ちょ、ながつ、どうした、」




長妻 「だって、あなたの前では泣いちゃダメって、っ、思って、、、ううぅぅ、、、」




森田 「……………偉いな、お前、」




真田 「ほら、これ、タオル、」




萩谷 「………まだなんにも頭に入ってきてないなぁ、」




諸星 「想像できねぇな、……いなくなるとか、」




「「……………………………」」




長妻 「あ、そういえばさ、顕嵐何話してたの?」




阿部 「ん?……ああ、さっき?なんかいろいろ、笑」




森田 「なんだそれ笑 急に連れてくから重要なことかと思ったわ笑」




阿部 「いや重要ですけど、告白とかそんなんじゃないですよ?笑」




「「……………………は?」」




森田 「いや、そりゃそーだわ」




長妻 「だから不意に爆弾落とさないでって!笑」




萩谷 「え、みんな告白したりしないよね、!?」




諸星 「しねーだろ笑」




森田 「できるわけないべ」




阿部 「出来るならとっくにしてる」




長妻 「しないけど、……いなくなるなら、、、まあしないけどね、!笑」




『え、ちょっとまって、』




森田 「あ、謙太郎いるじゃねーか笑笑」




長妻 「……………あ、笑」




『え、いや、………まあそりゃそうだよね、笑』




阿部 「負けないよ?」




「『え、』」




阿部 「いや冗談だから笑」




森田 「お前が言うとがちなんだよ笑笑」




阿部 「いやー、それは、はい笑」




森田 「否定しろ、!?」




「「笑笑笑笑笑笑笑」」


































































分かってたけど、分かってなかった。




何もかも。




これ以上何も失いたくないし、7ORDERを守りたい。




でも これ はそんな簡単に消えるものでもなくて。




何かを選べば、何かを失う。




これがこの世の原理。




このままじゃダメなことぐらい、分かってる。




けど、どちらかを選ぶことなんて出来る訳もなくて。




両方、なんていう我儘が許されたらいいのに、、、









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