第18話
17話 それでも前を向け
さっき拾った桜の簪を2人に見せる
三人で万屋さんに行くとまだあかりは付いていて玄関先に大樹さんがうずくまっていた
そっと肩を揺らすと大樹さんはゆっくりと顔を上げる
私の言葉を聞くと大樹さんの私の肩を掴んでいた手は力をなくし目は光を帯びていなかった
違ったとしても鬼の住処を探してみます
と、言うと大樹さんは顔を上げて桜の簪を見た
僕から簪を受け取るとしっかりと握って涙をながしていた
その手をとってしっかりと握る
パンッと頬を打たれる
打たれた頬はヒリヒリと痛みが走った
飛び出そうとした錆兎をそっとなだめる
言いかけて詰まる
私が殴られるだけで済む、でもこの人は大事な人を失い。
どこにもぶつけられない苦しみを僕が理解してあげれるのなら、解消できるのなら黙っておこうと思った
もう一度振り上げられた腕を掴む
大樹さんの腕の力がなくなって行く
微笑んでしっかりと大樹さんの手を握る
するとボロボロと目からは涙が出てきていた
万屋を出ると太陽が差していて眩しかった
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