〜ダーマside〜
それからは必死だった
モトキとシルクの処置
モトキに至っては一度心臓は動くことを放棄した
まるで「疲れた」とでも言うかのように
しかし、その後何故かは分からないが
心臓は再び己の持つ宿命を宿し
モトキを生き返らせた
モトキからは「生きたい」という願いが
心做しか聞こえた
〜モトキside〜
疲れた
鬼狩りなんて
鬼殺隊なんて
辞めてしまいたい
今すぐにでも
死んでここから解放されたい
自分の心はその一色に染まっていた
まるで暗示でもかかったかのように
その一点だけを心は見つめていた
だが、あることを思い出す
自分の使命を
自分が守らなくてはならないものを
そうだ
俺が
守らなくてはならないのはーーーー
皆の顔が一斉に視界に入る
その時自分は実感した
「ああ、自分が守らなくてはいけないのはこいつらだ」
自分に宿された宿命が蘇る
こいつらを守りきるのが
自分の使命であることを心に宿す
つい数十分前までは聞いていたその声に
不思議な安心感を覚えながら返事をする
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。