第4話

第4話
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2018/08/23 13:54
翔野 英介
え。ほんとに雲⁉
はい。でも正確には私は水で、さっきまでは他の水達と一緒に雲でいたんですよ。でもまあ、水って呼ばれるのはちょっと嫌なので、私の事は“雲”って呼んでください。
ふわりと笑ったその顔は、癒やされるような笑顔でドキッとした。
翔野 英介
じ、じゃあ雲さん。雲さんは水なのに、どうして人間の姿になっているんですか?
私、ずっと人間に憧れていて、お空の神に頼み込んだんです。人間の姿で人間の世界へ行きたいって。そしたら特別だぞっ!て許しをもらえて人間にしてもらいました。
ちなみにこの白のワンピースはお空の神の奥さんに作ってもらったんです!と、くるくる回る彼女はとても可愛くて、夢を見ているような気分になった。




カシャ
翔野 英介
(あれ?)
気付けば、無意識にシャッターを切っていた。
ん?なんですか、それは?
翔野 英介
あ、す、すみません!これ、カメラって言ってこんなふうに写真と言うものが撮れるんですが……
実際に使って見せながらカメラの説明をする。彼女は目をキラキラしながらカメラを見ていた。
お空から何回かこのカメラってやつ、見たことあったんですけど、こんな素敵な事ができるやつだったんですね!
翔野 英介
はい。そ、それでですね、その……さっきは思わずきれいで、その……勝手に写真を撮ってしまいました。すみません。あ、あと、その前も撮ってて……
本当ですか!見せてください!
彼女と話す前に撮ったのと、今撮ったのを少し緊張しながら見せると、彼女はとても喜んでくれて、素敵!嬉しい!ありがとうございます!と言ってくれた。

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