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第5話

5‪‪𓂃 𓈒𓏸🏰
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2021/04/25 04:19
今、私は、アズール先輩主催のパーティに…アズール先輩の彼女(偽)として来ている!!
…正直面倒臭いしスカート歩きにくっ。
パーカーはないのかパーカーは。
そんな事を考えながらぼんやりアズール先輩の隣を歩いていた私だが聞き慣れた声が聞こえると一気に体を硬くした。…え、嘘でしょ?アズール先輩の取引相手って………アジーム家も…??ヤバい。こんなとこを見られたら何を言われるか…急いでアズール先輩の後ろに隠れるがもう遅かった。笑顔から一転して虚をつかれたような顔になり…事態を把握したのかこっちにつかつかと急いで向かってきた。
カリム・アルアジーム
カリム・アルアジーム
………………………あなた…?
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
………。
(なまえ)・ジャミーラ
あなた・ジャミーラ
えっと…誰ですか?
裏声で惚けてみせる。だが…無理だった。ジャミル先輩がパーティの出席者の名簿を此方に掲げる。その中には…「あなた・ジャミーラ」と確かに私の名前があった。
カリム・アルアジーム
カリム・アルアジーム
さっき…アズールが彼女って…。
嘘だよな…あなたがまさか…。
カリム先輩は…とても悲しそうな表情をしていた。ジャミル先輩は口を引き結んでいる。暫くの沈黙の後、カリム先輩は口を開いた。
カリム・アルアジーム
カリム・アルアジーム
嘘だって…言ってくれ…。
私は迷った。ここで嘘と言ってしまっていいのかと。…ここは人目がある。ここで言ってしまったらアズール先輩が嘘吐きという事になる。迷惑は掛けられない。……でも…。と考えていたらカリム先輩はそれを答えと受け取ったのか無理に笑顔を作って「…幸せになれよな!」といつもの調子で言った。ジャミル先輩も「彼女でも、騙されないように気をつけろよ?」と、意地悪っぽく言った。
…私は、何も言えなかった。
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