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21時52分
先輩には、お兄ちゃん的な人が
迎えに来てくれると伝えて、
玲於くんから連絡が来たから、先輩の家を出た。
傘を持っているにもかかわらず、ささずにタクシーの
ドアを開けて、私のもとまで来てくれた。
2人で車に乗り込む。
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22時46分
玲於くんの家に着いた。
タクシーのなかでは、全く喋り出せなかった。
でも、さすがによくないと思って、口を開く。
私は玲於くんが座っていたソファのとなりに座って
そう言った。
目を見ては言えない。
すると玲於くんは、わたしの肩を押した。
私はソファに倒れる。
そういうと、私に深くキスをした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!