潤side
今日は、七夕。
織姫と彦星が年に1度、会うことが許される日。
潤『翔くん、一緒に願い事、書かない?』
翔『願い事?』
潤『そ!今日は、七夕だろ?だから、願い事を書いて、お互いに見せ合うの。』
翔『そっか。七夕か。書こうかな。』
俺は、何を願おう……
照れくさいけど、『翔くんとずっと一緒にいられますように。』
翔『潤~。何書いたの?』
潤『まだ、ダメ!せーので見せ合うの!』
翔『あはは!分かった。』
潤『いくよ?せーの!』
えっと…
『今年も、色々な国を旅行出来ますように。』
…恥ずかしい
俺ばかりが、翔くんのことを好きみたいだ。
翔『…ふふ……あはは!』
潤『なんだよ!何が面白いんだよ!』
翔『だって、あからさまに落ち込むんだもん。』
すると、翔くんはもう1枚短冊を出した。
『潤とずっと一緒にいられますように。』
潤『えっ?これ、』
翔『こっちが、本当の願い事。』
潤『翔くん…』
翔『願い事、叶えような。』
織姫と彦星が出会えますように。
温かい腕の中で、そっと願った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!