カーン、カーン、カーンと時計の音がなる。いつも通りの庭園に、いつも通りのお茶に、そしてロディ。
「ねえ、ジェシカ…こんなに本読んでて飽きないの?」
僕の事をジェシカと読んでくれるロディ。しかし顔はつまらなそうだ。
「ふふふ、別に飽きないわ。それよりもロディは飽きちゃったの?」
「ちょっと集中が切れただけだって。」
ロディはそういっているがどうせ飽きてしまったのだろう。
「分かった分かった。じゃあ一回中断しましょうか?」
「だから違うって…まあいいや、一緒の散歩でも行かない?勿論町へ」
「そうね。」
そして私は駆け出す。ロディと二人で笑い合いながら。気がつけば桜の花が舞って幻想的な光景が広がっていた。綺麗なその花は、こちらへ飛んでくる。きっと沢山の思い出がロディや御姉様、お兄様等とできるであろう。そんな桜の花が咲く頃に今までの冒険の幕を閉じてそして、新しい冒険の幕があがっていくのであった。
END
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!