ロディに連れられてさまざまな所へ行き、さまざまな物を見た。例えば出店だったり、雑貨屋等私にとって珍しい物ばかりであり驚く度にロディに笑われてしまった。しかし、嫌悪感等はなく釣られて私も笑ってしまう位彼との会話は心地よかった。
「…ねぇリア、少し相談にのってもらってもいい?」
なんの前触れもなく真剣そうな顔つきで話始めるロディ。私は少し時差があったがこくんと頷く。
「ありがとう。それじゃあ言うけど、僕には婚約者がいるんだ。」
…うん、知ってるよ。だって僕だもん。
「へぇ…一体どのような方なのですか?」
知らなかったように振る舞うとロディは露骨に嫌そうな顔をして話始める。
「…ジェシカ王女君も知っているでしょ?この国の第二王女様であって稀代の才能を持った王女様。」
!?え…そんな風に呼ばれていたの?私は別の意味で驚くが彼は表情を別の意味で解釈していた為静かに微笑んで僕に話しかける。
「僕はね、その人が大っ嫌いなんだ…」
ロディはそのまま話を続けているが僕自身は軽く硬直して、こんなことを考える。
(正体明かせなくなっちゃったじゃん!)
そんなどうでもいいことを考えながら僕は混乱してしまい、何も返答できないまま硬直してしまうのであった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。