第21話

オタクな人格、真面目な人格
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2022/06/14 07:00
現在、とある組織のリーダーとして前を行くエビフライこと私。
そんな私は、周りから真面目な人間だと言われる。成績がよく、運動神経もある、そして上司からの信頼度が高い。
だが、私生活になると一変、めんどくさがりで、家から出たがらない。そして外とのコンタクトを一切と言ってもいいほど取らない、とても関わりたくないタイプだ。
そんな私は、内と外で性格というか人格そのものをガラッと変えている。
外の人格(ここからタルタルとする)は、真面目で周りから見ればほぼ神の様な人格だが、内の人格(ここからウスターとする)は根倉でめんどくさがりな干物みたいなやつだ。
タルタルは、完璧主義者で、周りのミス、失敗等を確実にフォローする、端からみたら理想的な上司みたいだが、ウスターになると思考を放棄して、やりたくなくなるのだ。
ちなみに性格というか人格はこれだけではない。ウスターというめんどくさいやつを隠しているということは、オタクであることも隠している。(ここから中濃とする)
そんな風に人格を分けているとごくたまにその人格の時の記憶が失くなったりすることもある。そのときやっていたこと、見ていたものは特にそうだ。中濃は別だが。
分かりやすく表すと、
タルタル(真面目な人格)
ウスター(めんどくさい人格)
中濃(オタクの人格)
タルタル↔️中濃↔️ウスター
タルタルからウスターは中濃経由では繋がらない
主人格は中濃なのだがどちらかから中濃に戻ろうとするとスッと消えるのだ。はっきり言って謎だが。
そうなったのも自分の暗すぎる過去に答えはある。
本当は言いたくはないが、言わないとあいつが押し掛けて来そうなので話すとしよう。
河井ゆずる(アインシュタイン)
河井ゆずる(アインシュタイン)
おい、天の声。誰があいつやって…
出てくるなよ!!
まずこうなったのは小学生時代に遡る。
その小学生の時の記憶もあやふやだがあのときのことだけは妙に覚えている。
小学一年生の時から、クラス、学年いや、教師からもか。影が薄いことをよく弄られていた。周りからは、気がつかなかった。こんなところにいるなよ。じゃま。と段々悪口を言われるようになり、そして虐めが始まった。
最初は、物がなくなる所からだったが、段々とエスカレートしていき卒業の時には自分の机に、消えろ幽霊。とご丁寧に墨汁で書かれていた。
そのときから私は周りを見返すために勉強を始めた。百点は当たり前。宿題はしっかりこなす。真面目な人間を演じていた。
だが、このときから親の影響もあってかお笑いは見ていた。もちろん息抜きにだが。
そのお笑いも周りからは受け入れてもらえず、幽霊なんかが笑うな。気持ち悪い。とまで言われたこともある。クラスメイトからではない。担任からだ。
その時の私(タルタル)の話し相手は、私の中にいるもう二人の私(中濃)(ウスター)だった。このときはまだ主人格がタルタルだったので、話すのは学校であったことしかなかった。そして卒業と同じタイミングでオタクに気がついたため、そして、タルタルがゆっくりと休みたいといい、タルタルから中濃に主人格は移り変わった。
そして中学生。ここが一番キツかった。
私はこのときに引っ越し、中学校では全員がはじめましての状態だった。
だが、タルタルの人格のまま学校に行くのはかわりなかった。ただ唯一変わったのは、私が幽霊と同時にサイボーグだ、と言われたということだ。
ただただ勉強だけを頑張り、友達をつくろうとせず、しかも笑わない。まさにサイボーグそのものだ。
そのいじりが酷かった。いよいよこれがとある問題に発展したが、それはまたの機会に。
その問題に耐えきれず、中学二年生になると帰ってきてすぐに中濃に戻るなんてこともざらだった。それが理由なのか記憶が失くなることになった。まあ、不都合な過去は消したいタイプだったから丁度いいのだが。
そして義務教育を、終えて進学をした。
そこではなるべく笑うことを意識したがダメだった。成績は良かったため、何とか次の道も見つかり、私は逃げるように次の道へ行った。
そしてタルタルという完璧主義の人格が出来上がり、タルタルが主体として組織内で生活をしている。
ウスターは単純に昔から勉強や趣味のこと以外は興味を示さず、めんどくさがりだったのがそのまま出来上がったもので、中濃はただただオタ活を楽しむために仕上げたみたいなところがある。
人は自分のキャラ、性格、人格を気にする生き物だ。
キャラじゃない、なんて言葉は存在してはいけないと思う。
なりたいようになればいいのだ、キャラなんて一つだけじゃつまらない。いくつも持っててもいいはずだ。
いくつもの人格を持つ人は自分を受け入れきれないから、誰にも話せないから、話し相手が必要だからこそ、抱えてしまい、それが周りからは気味悪く思えてしまうだけで、優しく接してあげればその負担は減るはずだ。
私が言えたことではないが、相手を思いやり受け入れることが、平和への一歩なのかもしれない。
エビフライ(主)
エビフライ(主)
主のエビフライです。
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