「 はい、 」
道枝があなたの肩を抱いて、酸素スプレーを口元にあてる
トントン、と背中を優しく叩いて
大丈夫ですよ、と声をかけながら。
「 なんかいるもんある? 」
「 飲み物いります? 」
大橋と高橋が楽屋に入ってきて、
あなたの前にしゃがみ込んだ
「 大丈夫か? 」
「 、ん 」
涙目で返事をしたあなたの頭を
頑張ったやん、と大橋がぐしゃぐしゃと撫でた
「 これ、飲めそうなら飲んでください 」
高橋がスポドリを渡して
着替えてきます、と部屋をまた出ていった
「 ごめん、落ち着いた 」
その声で、みんなが笑顔になった。
画面が暗くなって、声だけが残る。
「 あなたちゃん、今日どうでした? 」
「 人生で1番、自分が不甲斐ないと思ったけど
人生で1番印象に残った、かな 」
「 そっか、 」
「 謙杜は? 」
「 あなたちゃんが好きやなぁーって思いました 」
「 は?笑 」
「 なんか、あなたちゃん好きー!ってなったステージです!笑 」
意味わからん、というあなたの笑い声がする。
" Last stage, end "
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。