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第5話

変わりたい
結局、あのクラス会のあと、佑輔と私が話すことはなかった。


カラオケ行って、焼肉行って…なんてやってたけど、まず席が遠かったし。


佑輔は女子にも男子にもみんなに好かれてるから、周りには常に人がいて…


私なんかが話しかける隙もなかった。


美羽が作ってくれたチャンス、無駄にしちゃったな…。


あ、まぁ、駅では話せたけど。


未だに自分から話しかけられない私。


“おはよう”も“おつかれ”も友達に便乗しないと言えない。


このままじゃダメ。


そんなの分かってる。


自分を変えなきゃ。


変えたい。


だけど最終的に“怖い”って気持ちが勝っちゃうの。


どうすればいい?


「あなたっあなたっ!!」


「は、はいっ、」


名前を呼ばれて我に返る。


「はい、って〜

どれだけぼーっとしてたの、今呼んだのはあたし。」


笑いながら後ろの席の莉子が教壇の方を指さす。


「そんで、先生に呼ばれてた。

プリント取りに来いって。」


「えっ、ありがとっ」


やば、全然気づかなかった…。


1週間ぶりの学校。


あと1週間と少しで卒業式。


最近佑輔のことが頭の中をぐるぐる回ってる。


そのせいか、みんなにぼーっとしてるねって言われるんだよね。


いいのかなぁ…


こんなふうにぼんやりしたままで。


ふわふわしたまま、高校生活を終えて。


やっぱり話したい、近づきたいって思ったら、自分が変わらなきゃいけないのかな。


話しかけてきてくれないかななんて、相手任せじゃダメだよね。


進展するには、自分から行動しなきゃ。


「はい、じゃあ次の時間まで自由にしててーっ。」


そう言ってなっつんー担任の先生が出ていく。


担任の夏山和佳(なつやまわか)先生。


みんなっつんって呼んでる。


「あと1週間で卒業だよ〜」


「実感湧かなーいっ!」


教室のあちこちからそんな声が聞こえる。


「なぁ!」


佑輔が教壇の上に立ってみんなに声をかける。


「なっつんにさー、卒業式で何かプレゼントしよーと思うんだけど、何がいいと思うー?」


そっか、もうそろそろ決めなきゃいけないよね。


「あ、一応色紙は渡そうと思ってんだけど、他になんかもう1個。」


「ハンカチとか?」


「時計!」


「花束はー?」


次から次へといろんなアイデア。


好きだなぁ、このクラス。


協調性があって、和気あいあいとしてて。


だからこそ、ばらばらになるのが寂しい。


「んじゃーもう合格してる奴らで、だれか買い物っつーか、下見できる人いるー?」


買い物…


佑輔も行くのかな…?



「今日?」


「一応なー」


「あ、私、行けるよっ」


はいっ、と手を挙げる。


どうせヒマだし…。


「お、サンキュー!

他はー…」









「ったく、めんどくさいだけだろ絶対!」


放課後、教室に残っているのは佑輔と私の二人だけ。


『一緒に行ける人は教室残ってて』って佑輔が呼びかけたんだけど、用事があるってみんな帰っちゃった。


佑輔も行くかなって期待して、行けるよって立候補したけど…


二人きりって!!


ーピコーンッ


スマホが鳴る。


ん、莉子から?


『楽しくお茶してるよー✌

買い物頑張って💪🎌』


そして写真。


女子みんなカフェで楽しんでる。


「「なっ…」」


佑輔と声がハモる。


へ?


「どうしたの?」


佑輔もスマホの画面を見てる。


なんか都合悪いことでもあったのかな。


「あ、いや、なんでもない。

…行こっか。」


「うんっ。」


二人並んで学校を出る。


放課後デートみたいっ!


なんて、おこがましいか…。


ただの買い物だもんね。


でも…


今日だけは舞い上がってもいいですか?