目黒side
佐久間「…今日は俺があなたのこと独り占めする日なんだけど。」
『独り占めとかずるいじゃないすか。だから俺も。』
佐久間「なぁんでよ、目黒いっつもくっついてるじゃん…」
『今日もくっ付くんです。ほら行った行った、』
佐久間「は、え、ちょっ、」
なかなか出てってくれない佐久間くんをひょいっと抱き上げて部屋の外に出す。
佐久間くんって体引き締まってるから軽いし、やっぱり…
『佐久間くんってやっぱり…』
佐久間「はい?」
『あ、いやなんでもないです笑
じゃ、満足したら俺も部屋戻るんで。』
佐久間「え、ねぇほんとに閉めだすn…」
バタン…
『やっぱり、かっこいいすね、って。はっず…笑』
少し照れながら頭を掻いて、あなたちゃんの寝ているベッドに戻る。
あんなにわちゃわちゃしたのに起きないんだよな、笑
『…あなたちゃん…、』
綾瀬「………。」
『…はぁ…好きだなぁ…笑』
俺がどんなにあからさまに気持ちを伝えても、
あなたちゃんに「はいはい分かったから」って流されてしまう。
こんなに好きになったのも、こんなに隣にいたいと思ったのも全部全部、あなたちゃんが初めてなのにな。
ガチャッ
渡辺「おい目黒!!」
『え、しょっぴー、』
渡辺「あなたにそんなベタベタ触ってんじゃねえよっ、」
あなたちゃんの頭を撫でていた手は振り払われてしまって、なぜかしょっぴーが撫でてる。
しょっぴーだって触ってんじゃん。
佐久間「ちょ、翔太、あなた寝てるんだって言ったじゃんか!」
渡辺「んなの知らねーよ。」
向井「もう、笑 俺ら置いてってぱーって走ってっちゃうんやから、」
綾瀬「…ん、ぅ…」
『あ、あなたちゃん?』
綾瀬「なぁに、なんでみんないるの…さくまは…?」
佐久間「俺っちここにいるよ!」
綾瀬「んふ、いた。笑」
『うわ嫉妬。』
佐久間「へっ、ベタベタ行ったからって振り向いてもらえるとは限らないんだよ!」
『…。』
ラウ「はい、めめおいで?お部屋戻ろっ、」
『ん、』
いつか、佐久間くんよりも前に俺の名前を呼んでくれる日が来るまで。
ラウ「……めめまたなんか企んでるっしょ。」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。