佐久間side
ほんとはちょぴっとだけ怒ろうかと思ったんだけど、撮影を止めるわけにもいかなくて。
とりあえず邪魔にならないところで撮影を見学させてもらう。
『…うっわ、今のやば…笑』
もうね、とにかくえちいのよ。
恋人いない歴=年齢とは思えないくらい色気があるし、なにより魅せ方が上手。
え?恋人どうこうは関係ないだろって?
『まぁ、ゆーて勉強になっちゃうんだよねぇ…』
みんながあんなにあなたに対して過保護に接してるのも、自覚のない大人っぽさが少し危ないなって思ってるからなんだよね。
多分照とか目黒になると話変わってくると思うんだけど。笑
綾瀬「ありがとうございました〜お疲れ様でした!」
『ん、おかえり。』
綾瀬「ただいま。ごめんね待たせちゃって」
『んーん、俺っちが好きで待ってたんだし。』
『…それであなたは、なんで黙ってたの?』
綾瀬「……それは、やっぱり駄目って言われると思って、」
『黙ってる方が駄目だよ。俺らもさすがにお仕事を辞めさせるなんてことしないって。』
綾瀬「そうだけど、でもいつもの雰囲気じゃ言い出せないのも分かるでしょ?」
『うん…まぁ、確かに。笑』
綾瀬「だからさっくんおねがい!このこと、雑誌の発売日まで内緒にしてて…?」
『うぇ、』
内心、たまにしか呼ばれない“さっくん”呼びと、メンバーの気持ちとの間で揺れまくってる。
頭を抱えながらあなたの方をちらっと見ると、うるうるきゅるきゅるの瞳でこっちを見てて。
俺の中のちっちゃい俺が白旗を上げた。
割とあっさり。
『んぅ…、分かった。黙っとく。』
綾瀬「ほんと!ありがとう!!」
『あ、じゃあその代わり海ロケの時の部屋割り佐久間さんと一緒ね?』
綾瀬「もちろん!」
楽しくなってきたから2話分更新しちゃう(馬鹿)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!