前の話
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入学式の次の日。
まだ着慣れない制服に気恥しさを感じられるのは自分だけではないと思う。
教室のドアを開けると、既に席についている生徒らが一斉にこちらを向けてくるので恥ずかしさが増した。
落ち着きのない足で教室に入ると、廊下側から数えて2列目の後ろから2番目の席に座った。
右隣は男の子、左隣は女の子が座っている。
それ以外は、緊張で前の席に座っている子の寝癖を見るので精一杯だった。
1日の始まりを告げるチャイムが鳴る。
担任の先生は良くも悪くも普通の人。
号令をかけた声は特徴のない、綺麗な声だった。
その日のそれからの出来事は特に覚えていない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。