メイドと執事を断られてから悠は自分で食事を作っている。その流れで俺にも何か恩を返したいとかなんとかで些細ながら週に1度俺が悠の所へ行く際に手料理を振る舞ってくれると言った。俺は感動した。誰かが作ってくれた暖かい食事はいつぶりだろうか。仕事に追われインゼリーで済ませていた過去が嘘みたいに感じる。子供の頃も裕福だったが故に親の作る手料理。家庭的な味を知らなかった。溢れかけた気持ちと涙をぐっとこらえて美味しい?と心配そうに聞く悠の質問に「悠が作った手料理は何だって最高級に美味しいよ。悠だけの特別な味だ。」と胸の奥の本音を隠さずもらすのだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!