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第1話

たゆたう木漏れ日の中で
22
2026/02/19 13:49 更新
うららかな日差しが降りそそぐ昼下がり。
巡回中、広場の木陰で気持ち良さそうに横たわる姿を見つけ、足を止めた。
今日は夜まで自由時間だから、何をして過ごそうと問題はない。

⋯しかし、
こんなに近付いても気付かないなんて。
夜に眠れていないのだろうか。
まさか猫の様に多くの睡眠時間が必要なのか。
あるいは夜行性なのか。

静かな寝息を立てる顔は、普段より幼く見える。

風が木々を揺らし、木漏れ日が揺蕩う。
少し肌寒くなってきた。
ステイサム看守
9番。
このままここで寝ていては、風邪をひくかもしれない。
ステイサム看守
9番、起きろ。
いくら声をかけても起きる気配はなく、ステイサムはそっとクロノアの肩に手を伸ばした。
9番
ん⋯
ステイサム看守
起きたか?
9番が身じろぐ様子に、慌てて手を引こうとしたが、叶わなかった。
ステイサムの右手は、クロノアの両手に捕らえられてしまった。
ステイサム看守
起きてるのか⋯?
9番
すやすや⋯
ステイサム看守
寝てる⋯
クロノアは無意識のまま、ステイサムの手を自分の首元へ誘導し、頬を擦り寄せる。
振り払うこともできるのにそうしないのは何故なのか。
手を掴まれ、困惑しつつも、9番の寝顔に癒される。
起きたら気まずいどころじゃない。
ステイサム看守
全く。
こちらの気も知らないで⋯
意趣返しのつもりで首をくすぐると、9番は気持ち良さそうに、喉を鳴らした。
ステイサム看守
猫⋯?
それから。
これでもか、という程に首をくすぐって頭を撫でると、満足したのか、或いはもう嫌になったのか、あっさりと手を離してくれた。
疲労感はあるが、不思議と嫌な気分ではない。
すやすやと眠る9番の顔を眺めながら、偶にはこういうのも悪くないかもしれない、と思った。

今日終わらせる筈だった、机に積み上がった書類については、今は考えないことにして。


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