物心がついた時から思ってた。
『女なんて興味ない。』
ちょっと顔がいいやつがいたからってそいつに媚びる。
自己中。
考えただけでイライラしてくる。
これも全て...
あの女のせいだ。
小学3年生の時、
ある女に告白された。
周りの圧や、自分の中で恋というものがまだイマイチ分かってなかったことから、小3ながら俺達は付き合った。
正直、最初は楽しかった。
でも、1ヶ月たった頃、変化が起こった。
転校生が来た。
顔はマジのイケメン。
色々とできてまさに女の理想の恋愛対象だろう。
案の定、俺の彼女もそいつの事がその対象に入ったらしい。
でも、彼女には俺がいる。
そんなこと考えていた矢先には...
「雄登くん、別れて?」
彼女から別れを切り出された。
俺は、
「なんで?」
そしたら、
「だって、○○くんの方がカッコイイもんっ!」
何故か俺は人生一の怒りを覚えた。
「は?!ふざけんなよ!自分から告っといてなんだよ。気に入らなかったらすぐさま他の男のとこかよ。まじでありえねー。」
気づいたら、思ったことを全て吐き出していた。
彼女の方を見ると、
泣いてる...
大声を出して泣き出してしまったことから、たくさんの人が来た。
もちろんみんな、俺が何かしたと思っているらしい。あまりにも辛くて、その場から逃げ出そうとした。
その時だった...
俺の運命を変える、"お姫様"が現れたのは。
「雄登は何も悪くないよ。」
そう、その一言に救われた。
あなたの言葉に。
家が近くで、生まれた時からずっと一緒。
いわゆる、幼なじみってやつ。
他にもたくさんいるけど。
この女嫌いのせいで、幼なじみのあなたのことさえもずっと避けていた。
だから、クラスが一緒でも喋ることは一切なかった。
まぁ、あっちは鈍感すぎて分かってなかったみたいだけど。
あなたが
なんで俺なんかにこんなことしてくれてるかが正直分からなかった。
「なんで?なんで、助けてくれたの?」
「は?!あたりまえでしょ?雄登は大切な幼なじみだし。それに、何も悪くないじゃん。悪くないのに悪者扱いされるのが1番やだもん。」
そうだった。
あなたは、いつもこんな俺を助けてくれてた。
なのに、俺は...
その時気づいた...
『俺は、あなたが好きなんだ。』
自分でも驚いた。
まさか、恋をする日が来るなんて。
他の幼なじみ5人も、あなたが好きらしい。
でも、そんなのどうでもいい。
あなたの心は、俺が貰う。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。