今日は校長と一緒にあるヒーローの自宅近くまで来ている
あるヒーローが死んだとニュースに出て信じることが
出来ずに
俺は校長とそのヒーローの自宅近くに来ていた
まだ家までには距離はあるが
記者や警察が多く本当の事だと知ってしまった
3日程前に我々雄英教師達と
ヒーロー宅でお茶会をしていたというのに
そう言い微笑んでいたのは俺の先輩
笑顔の似合う人だった
アイツも来たがってた
一緒に行くんだとうるさかった
だがアイツは目立つ
まだヴィランが近くに居ないと決まった訳では無い
まだ近くにいたら怪しまれる
そしたら子供に何をするかわからねぇ
先輩の子供
複数の個性を持つ先輩に似た子供
確か"治癒"の他に"魅了"と"絶対記憶"があったはずだ
初めて会ったのは今から5年ほど前だった
雄英高校教師全員で先輩の家にお邪魔した時に会った
その場の全員が彼女に魅了された
ミッドナイトは
とすぐに抱きついた程だった
そう言い微笑む彼女を見て
ヒーローに相応しい子供だと思った
それに先輩と同じことを言う
あの日から何度か先輩の家に遊びに行っては彼女と話をした
そんな日々が続いて欲しかった
先輩達にも生きていて欲しかった
だがここはヴィランが蔓延る世界だ
理不尽な事は沢山ある
俺たちが出来ることは今はない
ただ彼女が生きていると信じるしか出来ない
こうして我々は高校に戻る
バレて騒がられるのも嫌だからな
それに捜査の邪魔になってもいけない
教師達は落胆していたがずっとそうしている訳にもいかない
俺達はヒーローを育てていかなければならない
だが絶対に諦めはしない
必ず助け出せると信じ続けていくんだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!