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第6話

何もない
子供は大通りで自分と似たような色合いの布を羽織った彼より小さな女の子の手を取ろうとしていた。僕らがそこに追いつく。
「プリーズギブミーマネー」
お金をください。ここで僕は友人の話を思い出していた。階級社会。ここインドでは階級社会に入れないような人たちがまだまだいると言う話だ。
「プリーズ」
心が痛くなる。僕は彼、彼女らが欲してやまないお金をほっておいてここへきた。小さな女の子は子供の妹なのだそうだ。彼女が僕に耳打ちしてくれた。もしも、もしもの話だ。ここで僕が財布を持っていたとして哀れんで女の子にお金を渡したとしよう。それで女の子は今日の食事や好きなことを手にすることができる。でも僕のお金がなくなったら女の子はまた物乞いを始めるだろう。財布も持っていない僕に今できることはないもない。
僕が騒がしい大通りで勝手な感傷に浸っている時に子供が彼女に話しかけた。やはりなんと言っているかはわからない。しかし何か困った様子だった。
「彼らの母親が倒れたみたい」
彼女が僕にそう告げる。彼女は看護師を目指していて対処ができるかもしれないと続けた。だから今から彼らの家に行きたいと言われた。正直なところ彼女なしでは今、僕にできることは何もないので了承した。急ぎ足で大通りから外れどんどん廃れた道へ入る。多くのゴミが放置され匂いもきつくなる。建物の作りが変わっていく。死んでいるのではないかと思えてしまう態度を取っている人を何度も見かけた。そういったことを繰り返して僕らは子供らの家に着いた。