お?今日の説教はチャラになるのかな?
なんでよりにもよって口うるさい後藤先生の所へ行かなきゃいけないんだぁ…
そう言って先生は急いで校舎の中に行ってしまった
しばらくして ようやく説教が終わり教室に戻る許可を貰った
ぶつくさ言いながら曲がり道を曲がると…男の子が走ってきたので思いっきりぶつかってしまった
男の子はおでこを摩っていた
うちの学校の制服を着ているが…先輩とか同級生でこの子の事を見たことが無い
って事は…転校生?
人見知りなのか消えかかりそうな声でそう言い
俺を起こしてくれる…
その時に…微かにいい匂いがした…
食欲を唆られる匂い…
…転校生かを聞こうとしてるだけなのに…手が震えて…上手く喋れない…
戸惑っている内に
彼は一礼をして先生の跡をついて行った…
先生が説教できなかったのはこれが理由か…
俺が教室に向かうと……
と先生が話していた
俺はこっそり教室に入り 席に座った…
俺と同じクラスだったんだ…
成亮…か…
口ではそう言っているけど…正直不安でしかない
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!