次の日は、私たちが落ち込んでるとかそんなこと知ったこっちゃないと言う感じでやってきて。
授業は全く耳に入らなかった。
部活も普通にあって、体育館を開けて入れば余韻を感じてしまう。
部員みんなの顔をみれば、やっぱり私と同じような顔をしていて、だけど今日武田先生が慌てた顔で体育館に入ってきて
" 練習試合が決まった "
そう話してきた。
梟谷……その高校とは練習試合は初だ。
これからきっと、もっと強くなれたらいい。そして私もそんなグループの1部として頑張って行けたらいいな。
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なんて思いに浸っていたのも束の間。
すぐそこにある 期末試験 。
今回は苦手なところが多く出てしまう……
まずい……
帰り道、顔が真っ青になっている私をみて蛍が
蛍「…そんなまずいの、勉強。」
そう聞いてきた。
『こ、今回はちょっと…まずいかもしれない、、』
蛍「……どこら辺が」
『……え?』
蛍「だから、どこの部分が出来ないのって」
『え、、と、数学のp24からのところ…』
蛍「……ちょっとなら、教えてあげなくもないけど」
『…え?!ほ、ほんとに!!』
蛍「…ッ 自分で言っておいて教えないなんてことあるわけないでしょ!」
『あ、ありがとう〜 やっぱ持つべきものは蛍だね!』
蛍「それ、なんか言い回しが嫌なんだけど」
なんだかんだ言ってさ、蛍って優しいよ。
あの予選の時泣かなかった蛍をみて内心、なんだこいつとか思ってたのほんとごめん(え)
蛍「明日から始めるから、少しくらいは勉強しておきなよね」
なんて言い残して家へと入っていく彼を眺めて、なんとなく背中に手を振った。
振り返されることはないけれど。それでいいんだ。
私もひとつ遅れて、ただいまと家へ入っていったのだった。
next.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。