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第6話

#5 今日は、ここに居させて。





ざくざくざく……



(………)



足元で少し首をもたげる枯れ葉や雑草の音。

それは少し懐かしさを感じさせて。



(やっぱり、来ちゃった……)



あれからも、私に訪れる日々は相変わらず灰色のままだった。

誰も友達の居ないクラスと、止まない陰口。

先生も、気付く様で気づかない様な。

ソフトでいて、でも確かに重くのしかかる様な見えない黒い何か。



気が付いた時には手遅れだった。

私の噂は他のクラスまで広がっていたし、離れたクラスに居た友達ですら、どこかぎこちなくなっていたんだから。



(そのうち、この状況が先生とかにもバレて。お母さんとかに学校から連絡が行ったらどうしよう)



そんなことを考えるけど、事態の改善は一向に見える兆しは無い。

寧ろ悪くなってる。



今日は校外学習の班決めだったけど。

明らかに私が“余り物”とか“お荷物”になるのが目に見えてた。



(誰かが勝手に決めてくれたら、それでいいや)



今日は、だから学校には行かないでおこう、って決めた。



あの男の子が居たら嫌だけど。

駄目元な気持ちで、また小さな小径の坂を登っていく。



坂を登りきると、前と同じ荒れ地の草原が広がっている。

そして、目印みたいに伸びている何本かの木々。



(よかった。ここは変わってない……)



あれから一週間を越えて、更に緑の濃さを増している緑達がより一層何だか干からびた砂漠みたいな心に小さな滴を落としていく。



いつも、腰をおろして休んでいる木の傍まで。ゆっくりとそよ風に吹かれながら歩みを進める。

―――少しだけ、辺りをキョロキョロしながら。



(今日は、居ない……かな)



周りに誰も居ないことを改めて確認する。

大丈夫。



風が草を渡る。木々の小枝がそよ風に揺られる。

柔らかなその音しか、響いては来ない。



ふーっと息を吐いて。

私はそっと、いつもみたいにシートを引いて腰を下ろした。



(今日は、ここに居させて………)