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第14話

#13 先生の証言




「ちょっと、草壁」



あれから、結局救いは現れることも無く……ひと月があっという間に過ぎ去ったいつも通りの灰色のある日の放課後。



急に先生に呼び止められた。



「ちょっと……良いか」









生徒相談室。



そう。ここは先生と生徒や、スクールカウンセラーと生徒とかが相談したい事がある時とか、何かを個人的に相談する時なんかに使う部屋…。

あれから時間にして10分後。

何故かその部屋に、私は居た。

勿論、先生と二人で。



「草壁……申し訳無い!」



二人っきりになった瞬間、先生は急に私に向かって謝り始めた。



「え……」



困惑する私。



「その、草壁がクラスで孤立している……のに、何もしてやれなくて」



急に手をついて、私の方を見て必死で頭を下げる。

突然の展開に、何も言葉にすることが出来ない。



「あ、あの……」

「いや、突然こんな風に言われて何も言えないのは当然だよな。だから今日は特にお前に何かどうこう、というんじゃない」



短く整えられた短髪と、黒縁の眼鏡を何度も揺らして先生は頭を下げまくる。



「俺が力不足で、全然お前の状況に気付いてやれなくて」



急激な展開に、ついていけない―――



「あの、先生、私………」



何て言ったら良いんだろう。

『先生、私苛められています』って言ったら良い、の…?



「今日は、取り敢えずお前に謝りたくて。俺もこれからちょっとどうしたら良いのか色々対策を考えていこうと思っていてな」

「わた、し……」

先生の眼は、真剣そのものだった。

今まで何にも気付かないフリをしていた先生だし、何にも信用する気は大して起こらなかったけれど。

でも、嬉しくない訳じゃ無い。



たった一人で孤独に過ごして来た今の現状に、ほんの少しだけだけど心が僅かに緩んでいく。



「今日の今日で突然こんなことを言われて、何も言葉が出て来ないのは当然だよな。でも、また良かったら先生に話せることがあったら話していいからな。」



そう言って、先生はちょっと潤んだ様な赤い目で私を見つめた。



「あの、先生――どうして、急に」



思い切って問うと、先生は急に眉を潜めてこんなことを言い始めた……



「いや、自分で言うのも変なハナシなんだがな。俺の死んだじいちゃんが出て来て、夢の中でこんなことを言うんだよ」

「……???」

「じいちゃんが言うには、草壁って女の子が俺のクラスに居て、しかも苛められていて苦しんでいるから助けてやってほしいって言うんだ。で、俺も気になって色々観察してたら……確かに、お前が酷い目に遭ってる、ってことが分かってな」

「あの――」

「いや、最近じいちゃんが持ってた裏山の土地を売ることにしちゃったもんでさ。じいちゃん、あの裏山に植えた桃の木を大事に育ててたから、てっきり恨まれてるのかと思ったんだけど、何かいきなり夢に出て来て、そんなことを言うもんだから」



じいちゃん、裏山、桃の木……?



「先生、その裏山ってどこですか」

「ああ。裏山ってこの近所でさ、俺のじいちゃんこの辺りでけっこう土地持ちだったんだよ、昔はこの辺も開発されてなかったからさ」

「それってもしかして△△の近くじゃ無いですか?」

「ああ、そうだけど……っておい、草壁どこに行くんだ?!」



私は、その言葉を聞いて思わず走り出していた。