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第9話

#8 セピア色に、期待はしない。






『ただいま』とか『今日はどうだった、学校?』とか言うお母さんの問いとか。

それにどう答えるんだとか、そんな煩わしいものは遥か彼方に放り投げちゃいたいよ。



夜。ベッドの上でごろごろと転がって、好きな音楽を聴きながら漫画を読んでる。



(ファシュ君……か)



ちょっと、何て言うか確かにヘンな男の子だ。

私と同じ年頃で、あんな話し方する男子ってあんまりいないし。

クラスに居たら、浮くのかな。それとも人懐っこいから意外と上手にやっていくのかな。



ただ、思う事は。



久しぶりに誰かと話せたことが、素直に嬉しかった……って私は感じてるってこと。





ねぇ。どうしたら良いんだろう。

相変わらず私の日常はきっと灰色のままなのに。



また、会えるのかな……





溜息をつく。

今までは灰色でモノクロしかなかったその息の色に、本当に本当に少しだけだけどセピア色の違う色が滲んでいる様な、そんな気持ちになった。



(期待は、しちゃダメだ……)



ただ、そう自分に言い聞かせる。



きっと明日も、私はあの悲しい日常を越えないといけないから。



朝が来るのが、いつも怖い。