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第10話

#9 少しだけ、世界に色が付く二人の時間







校外学習の班は、やっぱり散々だった。

嫌がらせみたいに。クラスで一番やんちゃな男子とお洒落してる女子のグループの端っこにねじ込むみたいに入れられていて。

そう、まるでそれは“格下の私を無視することを楽しむ”みたいに。

でも、きっと表向きは“一人で学校も休みがちな私の面倒を看ます”みたいな感じで先生の前では言ってたんだろうなって。何と無く感じてしまう嫌な予想に、自分でも吐き気がした。





だけど、少しだけ嬉しいこともある。







「ファシュ……!」



放課後とか、たまにサボりたくなった日とか。またあの場所に時々足を運んでいる私は、毎回じゃないけどあの“彼”に会える様になったからだ。



ちょっと変わった性格してるけど、屈託なく私に話しかけてくれる、彼の存在は……第一印象こそ良くなかったけど、直ぐにそんなの無くなる位、気が付いたら話す様になってた。



「今日はさ、コレ持って来たんだ」

「…え、何?!」



ファシュは、何だか変わった人でいろんな面白い二人で遊べるゲームとかまで時々持って来てくれる様になった。

ゲームって言っても、何故かDSとかPSPとかじゃなくて、トランプとかオセロとか将棋とか、ちょっと古い感じなんだけど。



「ファシュってちょっとレトロ趣味だよね」

「えっそ、そうかな」

「だってゲーム機とかは使わないじゃない」

「えーっと、でもゲーム機だと2台必要だったりとかするし、こっちの方が良いかなって」



笑って、手元に持っているトランプを、ファシュが持っているシートの上に拡げる。

でも、何だかんだでそんな風に遊ぶ時間も楽しくて。



気が付いたら、すっかり二人で仲良く遊ぶ様になっちゃってた。



「今日はリアルソリティアしようっ」

「ソリティアってあのパソコンとかに入ってるやつ?」

「そうそう、あれをトランプでただやるだけっていう……」

「ただの暇人だよね」

「まぁまぁ、意外と楽しいって!」



結局ファシュのペースに乗せられちゃう。



くだらないんだけど、でも何だか意外と本当に楽しくなっちゃって。

あっという間に時間は経ってしまう。



陽が暮れれば、お別れ。

いつもファシュは残って、私は家に帰る。







そんな日々が、灰色の日々に少しずつ色を付けていってることに私は気付いていたんだ。



でも、そのことに気付くのは怖くて。気付かないフリをいつでもしようとしてる……