第15話

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2020/03/01 11:56
俺が気付いた事。
それは、俺がどれだけ鬼滅の世界を覆そうとも、どれだけ予知として未来のことを知っていようとも、
原作の世界では修正能力が発動し、物語を進めようとしている。
だって…
現に師範が今、
倒れているから。









ー数日前ー
甘露寺「ヒカル君っ!」
星「甘露寺さん?!」
説明しよう!
恋のアネキは元炎柱継子で、つまりは俺の姉弟子なのだ!
そして俺は今、単独任務の帰り道である。
丁度、俺の鴉は所用で出払っていて、一人とぼとぼ歩いていた所。
なんで恋のアネキがこんな所いるんだろう。
息を切らしながら恋のアネキはとんでもねぇ事を言い出した
甘露寺「星君!大変よ!師範が!!」
星「え?!」











星「肺が…やられていた…と」
胡蝶「えぇ、そうゆうことです。いきなり診察してくれと頼まれて診てみたら…」
恋のアネキからの連絡を受け、急いで向かった先は蝶屋敷。
師範は、先日の無限列車にて俺の知らない合間に上弦の参に肺に穴を空けられていた。
星「それで、師範は?」
胡蝶「今、病室で休んでもらっています。暫くは絶対安静です。何があってもベッドから離れさせないで下さい。」
でた、蟲のアネキのニコニコだけど中身は絶対笑ってない顔。
胡蝶「全く、こんな大怪我を負っていながら普通に歩いて普通に柱合会議参加して、普通に生活していたとは…」
星「はは…」
すると、蟲のアネキは急にスっと表情を変えた。
星「胡蝶さん?」
胡蝶「星君、これは煉獄さんにも言ったことなんですけど…」
星「はい、」
なんだろう、大事な話かな
胡蝶「煉獄さんは、鬼殺隊を引退しなければなりません。」
星「え…?」
胡蝶「隊士はほんとんど全員が呼吸を使います。煉獄さんも同じです。そして、その呼吸の要である肺が潰れてしまっています。通常の呼吸には一切差し支えありません。しかし、戦闘に使う呼吸は肺を最大限膨らませて使います。もし、次、煉獄さんが呼吸を使おうものなら過剰な圧力を加えられた肺が粉々に砕けてしまいます。」
星「……え。そ、それは治らないんですか?」
胡蝶「残念ですが、現在の技術では…」
星「そう、ですか」
実は俺は安堵している。
だって師範死なないし、ただ引退するだけだし、
もう肩を並べて戦えないのはとてもとても残念だけど…






星「師範、失礼します」
煉獄「あぁ、星か!む?なんでそんなに怒っている?!」
星「師範が、怪我のことすぐに診てもらわなかったからですよ!バカ!」
煉獄「む?!ば、ばか?!すまなかった!すぐに治るだろうと腹を括っていたのだ!柱として不甲斐なし!穴があったら入りたい!」
焦る師範可愛かったっていうのはここだけの話な。
それから俺と師範は談笑していた。
その時に分かったのは、全集中・常中の呼吸が師範から聞こえなかったこと。














「カァ!竈門星!任務!蟲柱ト共ニ鬼ヲ討伐セヨ!」
俺は蟲のアネキと一緒に任務をしていた。
まぁ、任務自体はそんなにキツいものでもなくて、アネキと帰ろうかと話していた頃。
鴉「緊急事態!!!!!緊急事態!!!!!」
鴉が今までにないくらい鳴き声を上げていた。
胡蝶「どうしたんですか?!」
鴉「蝶屋敷ニ上弦ノ参現ル!!!!!急ギ応援及ビ救護ニ当タレ!!!!」
ヒュッと息に詰まった。
言葉にならない。
アネキも目を見開いている。
胡蝶「星君!事は一刻を争います!!蝶屋敷には煉獄さんを初め重傷者も多くいて、戦力にならない女子供も沢山います!急がないと!!」
星「はい!!」
いつも冷静なアネキでさえ取り乱してしまう一大事。
柱の屋敷に乗り込むなんて考えられない。
俺とアネキは今までにないくらい飛ばす。
お願い師範。無事でいてください!

















ドォオオオン!
蝶屋敷もあと少しと近ずいた時、物凄い爆音が地面を揺らした。
よく見ると少しだけ見える蝶屋敷の屋根は壊れていた。
胡蝶「きっと蝶屋敷で上弦が暴れているのです。」
星「急ぎましょう!」
どうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうかどうか!
頼むから、無事でいてください…師範
動け動け動け!
もっともっともっと速く!!
そして
蝶屋敷の入口に着いた頃だった。















「炎の呼吸!!!奥義!!!!」












灼熱のように聞こえた声も













「玖の型!!!!!!煉獄っ!!!!」















花火のように舞った炎も、


















壊れた屋敷の奥で微かに見える倒れた燃える金髪も























全部、全部、全部

















師範だった。

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