第12話

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2020/02/22 05:40
無限城から帰ってきて暫くして、俺は師範を初めとする柱合会議にまたまた呼び出された。
お館様「この間無惨と接触した事で、ひかるが無惨の兄である有惨だったということの証明ができた。更に無惨は星のことをかなり好いているとも分かった、」
お館様が話してる間、周りの柱の目線が怖い。めっちゃ睨んでますやん!めっちゃ怖いよ?特に!そこの!風柱ぁ!
お館様「そこで、星に問いたい」
星「……はい」
この状況で尋ねられることと言ったらひとつだけ。
お館様「星は、どちらの味方?」
そう聞かれるのは当たり前のこと。
俺は無惨の兄であり鬼殺隊である。
この質問に覚悟はしていたけど、いざ聞かれるとどう答えていいのか分からない。
師範も、炭治郎も、禰豆子も、柱の方々も、俺は鬼殺隊のみんなが大好きだ。
でも、
無惨も同じくらい大好きだ。
星「正直に、申し上げます…。」
その言葉に、一体何を言い出すのかと周りの柱が息を飲む。
中には、返答次第では斬り掛かるつもりだろう、刀の鞘に手を掛けている者もいる。
俺はひとつ息をした後言葉をはっした。
星「俺は…無惨の味方です。」
「「「「?!」」」」
煉獄「ひ、星?!」
不死川「てめェ、うらぎんのかァ」
不死川が刀を抜こうと構える
それに構わず俺はつづける
星「おれは、無惨の兄であり、炭治郎の兄であり、炎柱の継子です。俺を拾ってくれたのは師範であり、鬼殺隊です。鬼殺隊の皆様はそれぞれに鬼殺隊に所属する理由があります。そのほとんどが鬼に家族を恋人を仲間を殺されてしまった人達です。俺は、その惨状を、悲劇を、現世で垣間見ました。あまりにも酷い。無惨が鬼になるのを阻止出来なかった俺のせいです。あの時、俺が無惨を止めていれば、あの時、俺が無惨を殺していれば…こんな哀しい組織なんて出来なくてよかった…」
不意に俺の目に水が溢れて零れた。
お前は悪くない。そんなことはみな言えなかった。
星「だから、俺は無惨を殺します。責任を持って。そして俺も無惨と共に地獄へ行きます。無惨共に償うことなんか出来ない罪を背負って行きます。」
お館様「………星。」
星「俺はどこまで堕ちようと、どこまで腐ろうと、無惨の味方です。こんな酷いことをした無惨の味方なんていないから、俺が味方になります。2人で支え合って罪を背負って行きます。」
目はぐしゃぐしゃだったけど、声は掠れたけど、言いたいことは言った。
真っ直ぐ前を向いてお館様を見つめる。
お館様はもう見えて居ないはずの目を俺と合わせてニッコリと笑った。

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