時刻は【23時13分】
2人はひたすらAPEX
俺は一足先に寝室へと向かう
俺も
あなたも
達也くんも
特に何も思わないから泊まる時はいつも3人で寝る
信じてるから
前回の進撃の巨人おもしろかったな〜とか
前にあなたと話してた映画いつ観に行こうかなとか
そんなことを考えながら布団をかぶる
俺は直ぐに気を失った
夢だと思った
時刻は【25時04分】
ベランダに目をやると
カーテンに隠れて口付けを交わす2人がいた
ベットから起き上がって目を擦る
そして、もう一度ベランダに目をやる
恐れていたことが起こっていた
俺とあなたが付き合う前に
達也くんにあなたが好きと言われたことがあった
笑いながら言ってたもんだから冗談だと思っていた
今思えば少しおかしかったかもしれない
いつも家に来るとあなたを最初に探したり
2人で出かけるとあなたに渡すプレゼントを買ったり
何も気づかなかった
いや
気づきたくなかった
傷つきたくなかったから
信じることはあまりにも辛くて、悲しいことだった
夜が俺にみせた幻
そんなふうに思いたかった
11月18日
あなたの誕生日
達也くんの誕生日
そんな今日に俺はさよならを告げる
達也くんが帰ったあと
俺はなにも知らないふりをして
あなたと行為をした
別れたらお互いを忘れるのに
何故か俺は最後にあなたからの愛を求めた
きっと身体が空っぽだから
俺と出会った頃のあなたは姑息で、孤独だった
そんなあなたを最初は嫌った
全くタイプの違う人間だったから
でも、少しずつそんなあなたに惹かれていった
そんな自分も好きだった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。