佐久間side
「なあみなみ」
「なーに?」
「俺さ、どうすればいいかな?」
「あなたちゃんがどこで働いてるかは知ってるんでしょ?」
「うん、でも今どこにいるかわからない......」
「あなたちゃん、きっとそんなに遠くに行ってないと思うよ?」
「え?」
何を言っているのかわからない。遠くに行ってない?一体どういうことだ?
「だってあなたちゃん指輪持ってったんでしょ?彼女はきっと、大ちゃんに見つけて欲しいと思ってるはずだよ。」
「なるほどな...........」
「でもね、すぐに行くのはダメ、」
「え?なんで?????」
「一度別れたんだったら、意味のある再会じゃなくっちゃ!」
わかるようでわからない............
やっぱり女心って難しいな..........
「みなみさん、力を貸してください!」
「よし!やるぞーーーー!」
何故か楽しそうなみなみを眺める。みなみ、俺は何年経ってもお前が好きだ。その気持ちは大事に胸にしまっておくから。
あなた、沢山傷つけてゴメン。まだ俺を待っていてくれる...............?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!