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第23話

#23
佐久間side


遅刻するのが怖くて、早く着きすぎてしまった。


ここに来るのは初めてではない。



あの日、みなみと待ち合わせしていたのもここだった。


奥の席座って外を見つめる。



緊張で顔がこわばった自分がガラスに写った。



「....さっくん」



突然、あなたの声がした。



驚きで言葉が出ない。


なんとか声を絞り出して座るように促す。


店員さんが飲み物を届けに来る。




「今日、来てくれてありがとうございます」



正直、来ない可能性も考えていた。



でも、彼女は来てくれた。約束の時間よりもずっと早く。



早くここに来た理由が俺と同じだったらいいな。



「こちらこそ....」




俺はあなたの目をちゃんと見れない。あなたも俺の目を見ない。




あなたの瞳に視線をやると、目があった。



「あっ、あの!」



裏返った声を上げるあなた。



「はい...?」




「敬語....やめませんか?話したいです。その....前みたいに。」



言葉自体はたどたどしいものの、あなたは明らかに「前みたいに」を強調した。



心臓がどくんと大きな音を立てる。



それって...俺たちが一緒だったときに戻りたいってことか...?そうとらえていいのか?




「そ、そうですよね...じゃあラフに話しましょう...!」



あなたの頬が緩んだように見えた。



俺たちは、あの日から今日までの長くて短い空白を埋めるように、お互いのことを求めあった。