佐久間side
翔太の友達とあなたの関係は気になるが....
みなみとも約束したんだから、諦めるわけにはいかない。
だから今日も俺はあなたに会いに行く。
また人が少ない時間に店に行った。
「あ、」
なにか言いたげなあなたと目が合う。
「すいません、モンブランとアイスコーヒー下さい」
何事もないように注文してしまった。今日こそは話かけるって決めてるのに.......
店内のイートインスペースに座り、ケーキを待っているとあなたがアイスコーヒーを運んできた。
テーブルに伸びたあなたの左手を反射的に掴む。そこには見覚えのある...確かに俺との婚約指輪がはめられていた。
「あ...」
「..........」
「あのさっ!」
「はい....?」
「連絡先って...」
「変わってないです」
「そっか、、、ありがとうございます」
たどたどしい会話に歯がゆさを覚える。
少し急いでケーキを食べ、店を出る。
今日はしっかりと「またお越しくださいませ」という声が聞こえた。
あなた......俺はまた期待してもいいですか?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。