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第1話

#1
1,916
2020/08/03 07:10
佐久間side



俺はおかしくなってしまったのだろうか。




「大体さ、大ちゃんは女心ってもんをなーんにもわかってないよね〜?」




あなたが出ていってはや一ヶ月。




何も出来ない俺はただただ戻って来るのを信じて待つだけの日々を過ごしていた。





「こういう時はね?探しに来て欲しいもんなの!大ちゃんのせいででていっちゃったのにフラッと帰って来るわけないでしょ!」





一人になったはずの俺の部屋で長々と説教をするやつがいる。




「そろそろ聞いていい?」




「何?」




「なんでみなみはここにいるの?そしてなんで普通に話してるの?」




「そりゃ、大ちゃんがピンチだから助けに来てあげたんでしょ!」





ずっと会いたかった人........通り魔事件に巻き込まれて亡くなった俺の元カノ、みなみが3日前に突然現れた。




「いや、そういうことじゃなくてさ............」



「まあまあ、細かいことはいいからいいから」



「よくはないだろ.....」



「もーめんどくさいなぁ、一週間しかいられないんだからこんなことは気にしなくていいの。大ちゃんも死んだらわかるよ。」



「俺、まだ当分死ぬ予定ないけど」




みなみの顔が歪む。気づいたときにはもう遅い。




「みなみだって死ぬ予定なんかなかった。大ちゃんが遅刻なんてしなければみなみは.........」




「ゴメンみなみ!!そうd」



「なーんてね!言っとくけどみなみ、ホントに大ちゃんのこと恨んでないから。悪いのはみなみの味方してくれなかった神様だよ」






意地悪な顔で笑うみなみ。俺は...君のそういうとこが好きだった。





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